12月を「師走」というのは承知の通りだが、お坊さんや先生が忙しくなるという由来をもっているらしい。知識としては知っていても、毎年そんな慌ただしさを感じていたかは疑わしい。
師走に入った途端、周囲の動きも活発になり、お役所・会社の発表も盛んになり、世の中全体が動き出した気がするのは錯覚か。年末に近づけば近づくほど、忘年会やら大掃除やら年賀状やらで、慌ただしくなる。友人と会ったり話したりする機会が多いのは、世の中が動き出しているためか。家の中より、外出したほうが人と会えるという単純なこと。みんな歩きだしたらしい。
思えば、紅葉らしい紅葉をまったく見ないで秋を過ごしてしまった。落着いて外出するには、逆に時間がありすぎて、ほとんど散歩をしなかった。師走に入り、なぜか、徘徊する気分が高まっている。
レチフ・ド・ラ・ブルトンヌという仏文学のマイナーな作家がいた。ある作品は、たしか、主人公の男が夜になると肩にふくろうを乗せてパリの街を徘徊し、そこで起こった出来事を伝えるといった内容だったと記憶している。フクロウとともにパリの闇夜を徘徊して観察するといったイメージが強烈に印象に残っている。
Gムーアというギタリストは「パリの散歩道」という作品を残した。感情過多でくどい気もするが、美しく、そこで奏でられるパリはまさしく秋を感じさせた。パリで散歩したことのない者に、パリを感じさせる音楽というものは、いったいどんな怪物なのだという驚きもある。
あてどない散歩でも、目的をもった散歩でもいい。この師走の時期に、そんな悠長な精神で徘徊を試みてみたくなった。歩いてみたい道はいくつかある。東京の散歩道だ。楽曲にはできないけど、何らかの記憶装置を残しておきたい気もする。師走であるからこそ、思いがけないものが散歩道で見つかるかもしれない。さすがに肩にフクロウを乗せはしないが…
師走に入った途端、周囲の動きも活発になり、お役所・会社の発表も盛んになり、世の中全体が動き出した気がするのは錯覚か。年末に近づけば近づくほど、忘年会やら大掃除やら年賀状やらで、慌ただしくなる。友人と会ったり話したりする機会が多いのは、世の中が動き出しているためか。家の中より、外出したほうが人と会えるという単純なこと。みんな歩きだしたらしい。
思えば、紅葉らしい紅葉をまったく見ないで秋を過ごしてしまった。落着いて外出するには、逆に時間がありすぎて、ほとんど散歩をしなかった。師走に入り、なぜか、徘徊する気分が高まっている。
レチフ・ド・ラ・ブルトンヌという仏文学のマイナーな作家がいた。ある作品は、たしか、主人公の男が夜になると肩にふくろうを乗せてパリの街を徘徊し、そこで起こった出来事を伝えるといった内容だったと記憶している。フクロウとともにパリの闇夜を徘徊して観察するといったイメージが強烈に印象に残っている。
Gムーアというギタリストは「パリの散歩道」という作品を残した。感情過多でくどい気もするが、美しく、そこで奏でられるパリはまさしく秋を感じさせた。パリで散歩したことのない者に、パリを感じさせる音楽というものは、いったいどんな怪物なのだという驚きもある。
あてどない散歩でも、目的をもった散歩でもいい。この師走の時期に、そんな悠長な精神で徘徊を試みてみたくなった。歩いてみたい道はいくつかある。東京の散歩道だ。楽曲にはできないけど、何らかの記憶装置を残しておきたい気もする。師走であるからこそ、思いがけないものが散歩道で見つかるかもしれない。さすがに肩にフクロウを乗せはしないが…
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