少し前に何度も何度もかみしめて読んだ本がある。
橋本忍の『複眼の映像』。黒澤明の映画での共同執筆について、橋本が振り返った好著だ。
橋本はとくに、『羅生門』『生きる』『七人の侍』について詳しく書いている。
ライター先行型の共同脚本という執筆方法。先行ライターが叩き台となる第一稿を書き、第二稿に修正し、それを複数のライターが同じ場面を用意ドンで書き始めるのだ。一番よくできたライターの稿や、よくできた部分を混合し、決定稿ができあがる。
手間と時間がかかるが、本当の意味での共同作業、チームワークのたまものなのだ。脚本は映画の根本であり、そこにかける時間と労力を惜しんではいけない。
自転車のロードレースもチームでの仕事だ。コースの脚質にあった選手を勝たせるべく、風除けになったり、引っ張ったり、戦術的に先を走ったり、水分の入ったボトルを取りにいったり。
はじめからチームのスポーツであり、選手の勝利はチームの勝利でもある。
ラファエロやミケランジェロなどの天井や建物に描いた絵画も、もちろんチームの仕事であり、名が残るのはラファエロであっても、そこには多くの弟子たちの作業と喜びが隠されているであろう。
稽古をはじめて、チームワークの必要さが、前にも増して感じられるようになった。15人くらいの眼が、心が、頭が集まれば、かなりの可能性が生まれる。個人の認識の範囲をまたたくまに超えていくのだ。いわば集団としての観察であり、思考であり、感受である。毎日が驚きの連続である。ちっぽけな限度を破られる快感だろうか?
そして、まだまだその可能性を広げることができる。チームワークとは、ひとりひとりがそれぞれ手を抜かず、自分なりのやり方で、周囲を気遣いながら、上へ上へと目指すものだろう。芸術の創造過程で遠慮はいらない。激しくぶつかりあうくらいのエネルギーをもったやりとりが、そこで交わされたとき、真のチームワークが生まれるから。
頑張ります。
向かい通るは清十郎じゃないか(お夏清十郎公演ブログ)
橋本忍の『複眼の映像』。黒澤明の映画での共同執筆について、橋本が振り返った好著だ。
橋本はとくに、『羅生門』『生きる』『七人の侍』について詳しく書いている。
ライター先行型の共同脚本という執筆方法。先行ライターが叩き台となる第一稿を書き、第二稿に修正し、それを複数のライターが同じ場面を用意ドンで書き始めるのだ。一番よくできたライターの稿や、よくできた部分を混合し、決定稿ができあがる。
手間と時間がかかるが、本当の意味での共同作業、チームワークのたまものなのだ。脚本は映画の根本であり、そこにかける時間と労力を惜しんではいけない。
自転車のロードレースもチームでの仕事だ。コースの脚質にあった選手を勝たせるべく、風除けになったり、引っ張ったり、戦術的に先を走ったり、水分の入ったボトルを取りにいったり。
はじめからチームのスポーツであり、選手の勝利はチームの勝利でもある。
ラファエロやミケランジェロなどの天井や建物に描いた絵画も、もちろんチームの仕事であり、名が残るのはラファエロであっても、そこには多くの弟子たちの作業と喜びが隠されているであろう。
稽古をはじめて、チームワークの必要さが、前にも増して感じられるようになった。15人くらいの眼が、心が、頭が集まれば、かなりの可能性が生まれる。個人の認識の範囲をまたたくまに超えていくのだ。いわば集団としての観察であり、思考であり、感受である。毎日が驚きの連続である。ちっぽけな限度を破られる快感だろうか?
そして、まだまだその可能性を広げることができる。チームワークとは、ひとりひとりがそれぞれ手を抜かず、自分なりのやり方で、周囲を気遣いながら、上へ上へと目指すものだろう。芸術の創造過程で遠慮はいらない。激しくぶつかりあうくらいのエネルギーをもったやりとりが、そこで交わされたとき、真のチームワークが生まれるから。
頑張ります。
向かい通るは清十郎じゃないか(お夏清十郎公演ブログ)
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