さてさて、明日からふたつの仕事に復帰するが、今年の目標は、部屋をちらかさないこと。そして、戯曲やシナリオを読んで研究すること。
というわけで、立て続けにシナリオを読んでみたわけだが、やはり、橋本忍・黒澤明の『羅生門』は、おもしろく読めた。淀みがないというか、停滞がないというか。過去の回想を逆手にとった構成だから、報告という叙述方法をとるので、ことばだけの観念的なものになりがちだが、そうでなく、登場人物がとても行動的に描かれているために、生き生きと人物が見えてくる。前に一二度映画は見たことがあったが、それ以上のおもしろさかもしれない。
真山青果の戯曲『唐人お吉』もよかった。特に一幕から三幕までが、テンポよく流れていた。真山青果とはもう親しい間柄!?だから、どんな構成で、何を描きたいのか、そして登場人物の根幹になっている要素も手に取るようにすんなり入ってくる。真山青果の作家としての力がここにある。テーマが明快で、登場人物がきちんと輪郭づけされていて、二人三人の主要人物の葛藤を中心に描く。小手先の技術でなく、人間を真正面にとらえた作品。
昨日も青果の『敗北者』という小説を読んだが、すごいね、物事を淡々と語るには筆が似合わないけど、劇的な場面を作ることにかけては、まだ小説だけ書いて戯曲に手を染める以前から、その実力はもっていたことがわかる。
テーマや色合いは違うが、『唐人お吉』はいってみれば、大人になったお夏であり、お七である。お夏やお七が恋愛にわけもわからず突き進んでいく純真さがあるとすれば、お吉はその時期を超えて、自分のしていることと自分のすべきこととの葛藤に悩まされる。そのために、恋愛さえも犠牲にする。しかし、思っていること、主張することは、同じ作家の筆からか、とても似たようなものになっている。
これからも読んでいきます。
というわけで、立て続けにシナリオを読んでみたわけだが、やはり、橋本忍・黒澤明の『羅生門』は、おもしろく読めた。淀みがないというか、停滞がないというか。過去の回想を逆手にとった構成だから、報告という叙述方法をとるので、ことばだけの観念的なものになりがちだが、そうでなく、登場人物がとても行動的に描かれているために、生き生きと人物が見えてくる。前に一二度映画は見たことがあったが、それ以上のおもしろさかもしれない。
真山青果の戯曲『唐人お吉』もよかった。特に一幕から三幕までが、テンポよく流れていた。真山青果とはもう親しい間柄!?だから、どんな構成で、何を描きたいのか、そして登場人物の根幹になっている要素も手に取るようにすんなり入ってくる。真山青果の作家としての力がここにある。テーマが明快で、登場人物がきちんと輪郭づけされていて、二人三人の主要人物の葛藤を中心に描く。小手先の技術でなく、人間を真正面にとらえた作品。
昨日も青果の『敗北者』という小説を読んだが、すごいね、物事を淡々と語るには筆が似合わないけど、劇的な場面を作ることにかけては、まだ小説だけ書いて戯曲に手を染める以前から、その実力はもっていたことがわかる。
テーマや色合いは違うが、『唐人お吉』はいってみれば、大人になったお夏であり、お七である。お夏やお七が恋愛にわけもわからず突き進んでいく純真さがあるとすれば、お吉はその時期を超えて、自分のしていることと自分のすべきこととの葛藤に悩まされる。そのために、恋愛さえも犠牲にする。しかし、思っていること、主張することは、同じ作家の筆からか、とても似たようなものになっている。
これからも読んでいきます。
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