なんかライフワークならぬ、ウィークワークらしくなっている次郎長三国志の日記だけど、ここまで続けたなら、終わりまで続けてやろうといった、義理じゃないが意気込みがあって第5部、甲州の喧嘩の回の報告、報告だな、をいたします。
今回の鑑賞はお酒も入っていたのだが、それにふさわしく、次郎長一家も祭りでにぎやかになり、酒もたらふく含んでいた、そんな雰囲気であった。
次郎長の義兄弟の親分が入ってきて、祭りの雰囲気が一変し、甲州のやくざとの関係が険悪になったことを報告する時、次郎長も久しぶりの酒を含んでいたのだが、観ているこちらも酒の酔いを抑え、きちんと酔いを醒まさねばという気持ちになった。
祭り、酒、そして純情なほどの師弟愛、純粋な恋。これらが次郎長一家に脈々と流れる血である。なんかどす黒い卑しい血なんてこの世に存在しないかのようにふるまう次郎長一家は、たしかに美化されてはいるだろう。
しかし、次郎長一家にあって、他の敵役に無いのは歌である。次郎長一家はとにかく歌を歌う。旅の道中歌としてとにかく歌う。そしてやっぱり歌ったほうが勝ちである。もちろん敵役は憎しみや陰謀の色で描かれる。それに対して、主人公一家は歌で描かれる。
歌を歌ったほうが勝ちなのだ。憎しみは歌にはかなわない。そういった意味で次郎長一家は歌を味方につけている限り、負けはしない。喧嘩にも、人間的にも。
今回は、新たな登場人物としては大野の鶴吉だが、役者の技量と演出の妙で、ああ、この人は害のない人だな、というか次郎長一家に入ってしまう人だなと感じさせるものであった。
他の登場人物の新たな性格付けもなく、次郎長の子分に関しては、なんの目新しさはなかった。これは脚本の次元だろう。
唯一目新しい性格の発見は、次郎長の妻のお蝶であろう。そして、この回の影の主人公はお蝶といっていいかもしれない。
お蝶が甲州まで駆け付けたことが、驚きなことではある。それに至るお蝶の心理をきちんと描いている。
同時に、投げ櫛のお仲の心理も分かって、しかも最後、お仲との別れは何のきなしの、音楽の途中にさらりと挿入されるところがにくいところではある。
さすがに上演時間などの尺の長さを気にしていたふしがあるにせよ、さらりとお仲が消えてなくなるところに、余韻が残る結果となったわけだ。
さて、今回は、個々の登場人物はお蝶意外に発見はなかったが、次郎長一家としての集団性が表に出ていたと思う。
物語的には進行性があるが、登場人物の人間性には、少し物足りなさが残る結果になってしまったような気がする。
しかし、ここでようやく次郎長一家としてのまとまりを見せつけることができたのは、人ごとながら、良かったと思う。
今回の鑑賞はお酒も入っていたのだが、それにふさわしく、次郎長一家も祭りでにぎやかになり、酒もたらふく含んでいた、そんな雰囲気であった。
次郎長の義兄弟の親分が入ってきて、祭りの雰囲気が一変し、甲州のやくざとの関係が険悪になったことを報告する時、次郎長も久しぶりの酒を含んでいたのだが、観ているこちらも酒の酔いを抑え、きちんと酔いを醒まさねばという気持ちになった。
祭り、酒、そして純情なほどの師弟愛、純粋な恋。これらが次郎長一家に脈々と流れる血である。なんかどす黒い卑しい血なんてこの世に存在しないかのようにふるまう次郎長一家は、たしかに美化されてはいるだろう。
しかし、次郎長一家にあって、他の敵役に無いのは歌である。次郎長一家はとにかく歌を歌う。旅の道中歌としてとにかく歌う。そしてやっぱり歌ったほうが勝ちである。もちろん敵役は憎しみや陰謀の色で描かれる。それに対して、主人公一家は歌で描かれる。
歌を歌ったほうが勝ちなのだ。憎しみは歌にはかなわない。そういった意味で次郎長一家は歌を味方につけている限り、負けはしない。喧嘩にも、人間的にも。
今回は、新たな登場人物としては大野の鶴吉だが、役者の技量と演出の妙で、ああ、この人は害のない人だな、というか次郎長一家に入ってしまう人だなと感じさせるものであった。
他の登場人物の新たな性格付けもなく、次郎長の子分に関しては、なんの目新しさはなかった。これは脚本の次元だろう。
唯一目新しい性格の発見は、次郎長の妻のお蝶であろう。そして、この回の影の主人公はお蝶といっていいかもしれない。
お蝶が甲州まで駆け付けたことが、驚きなことではある。それに至るお蝶の心理をきちんと描いている。
同時に、投げ櫛のお仲の心理も分かって、しかも最後、お仲との別れは何のきなしの、音楽の途中にさらりと挿入されるところがにくいところではある。
さすがに上演時間などの尺の長さを気にしていたふしがあるにせよ、さらりとお仲が消えてなくなるところに、余韻が残る結果となったわけだ。
さて、今回は、個々の登場人物はお蝶意外に発見はなかったが、次郎長一家としての集団性が表に出ていたと思う。
物語的には進行性があるが、登場人物の人間性には、少し物足りなさが残る結果になってしまったような気がする。
しかし、ここでようやく次郎長一家としてのまとまりを見せつけることができたのは、人ごとながら、良かったと思う。
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