思いもせぬところに、思いもよらぬものがいる。いるかどうかさえ定かでない。音だけは聞こえてくるのだ。
自宅の壁にイモリが始終へばりついている姿も、見慣れているとはいえ、ちょっとした驚きは与えてくれる。そういえば、以前は体長15センチ以上のガマガエルが東京の住宅地を闊歩していたな。道路の主のように王道をへばりついていた。たまたま見かける犬のウンコにも、微妙に感性をくすぐられるのはなぜだろう。思いもよらぬ急な飛び出しは、こどもに限らず大人だって日常茶飯事だし、うっかり大きな声でひとり言を言った途端に、突然人が近くにいたことに気づくこともある。陰に潜んだ恋人達の抱擁に出くわすこともある。
毎日通る場所、しかもそれは大きな建造物の中なのだが、そこに思いもよらぬものが存在する。いや、先にも言ったとおり、音だけ聞こえるのだから実物がいるのかどうかさえ怪しい。鈴虫なのかな。残念ながらあまり虫の音には興味がなくて、どの虫だか特定はできないのだけど、とにかく「秋」を感じさせる鳴き声ではある。
鳥だって建物に巣を作ることはある。ねずみだって建物の中に健在じゃないか。
鈴虫。草のない壁だらけのところにいるものかしら?声は聞こえても、姿は見えず。ええ、ウグイスだって姿は見えずに鳴けれども、存在しないなんていう人はいないだろう。なら幽霊屋敷は?
空耳なのかなと思っても、はや20回ほど聞えるのはどうしてか。録音テープの可能性だって否定はできない。なにしろそこは、人のたまり場でもある。
そんな微妙な虫の音を「あの音なんだろうね」と話題にするには、あまりにもささやかな音でしかなく、ささいな出来事でしかない。
思いもよらぬところに、思いもよらず心をくすぐるものがいる。存在すら怪しい。そんな感性のささやかな宴が催される秋というのも、悪いもんじゃない。
自宅の壁にイモリが始終へばりついている姿も、見慣れているとはいえ、ちょっとした驚きは与えてくれる。そういえば、以前は体長15センチ以上のガマガエルが東京の住宅地を闊歩していたな。道路の主のように王道をへばりついていた。たまたま見かける犬のウンコにも、微妙に感性をくすぐられるのはなぜだろう。思いもよらぬ急な飛び出しは、こどもに限らず大人だって日常茶飯事だし、うっかり大きな声でひとり言を言った途端に、突然人が近くにいたことに気づくこともある。陰に潜んだ恋人達の抱擁に出くわすこともある。
毎日通る場所、しかもそれは大きな建造物の中なのだが、そこに思いもよらぬものが存在する。いや、先にも言ったとおり、音だけ聞こえるのだから実物がいるのかどうかさえ怪しい。鈴虫なのかな。残念ながらあまり虫の音には興味がなくて、どの虫だか特定はできないのだけど、とにかく「秋」を感じさせる鳴き声ではある。
鳥だって建物に巣を作ることはある。ねずみだって建物の中に健在じゃないか。
鈴虫。草のない壁だらけのところにいるものかしら?声は聞こえても、姿は見えず。ええ、ウグイスだって姿は見えずに鳴けれども、存在しないなんていう人はいないだろう。なら幽霊屋敷は?
空耳なのかなと思っても、はや20回ほど聞えるのはどうしてか。録音テープの可能性だって否定はできない。なにしろそこは、人のたまり場でもある。
そんな微妙な虫の音を「あの音なんだろうね」と話題にするには、あまりにもささやかな音でしかなく、ささいな出来事でしかない。
思いもよらぬところに、思いもよらず心をくすぐるものがいる。存在すら怪しい。そんな感性のささやかな宴が催される秋というのも、悪いもんじゃない。
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