シシュポスは巨大な岩を山頂まで持ち上げるが、あと少しのところで岩は下へ転がり落ちていく。この苦行を何年も繰り返す。賽の河原では親の供養のために積み石で塔を作っても、完成する前に鬼がやってきて塔を壊してしまうという。報われない努力を今日も続ける。シシュポスの場合は罰として、賽の河原の場合は子どもたちに課せられた義務として、徒労を続けなければいけない。
忘れられない言葉があり、それは先輩が繰り返し言っていたことだ。その先輩というのは酒飲みで、酒が入るとすぐこの言葉がでてきたから、酒のうえのたわごとと切り捨てることもできるのだが…。「作っては壊し、作っては壊しだよ」。仕事に対する愛着と解釈した。
途方もない責苦を人間は背負わされたものだ。毎日食事を作り食べることだって同じことの繰り返しだし、排泄だって繰り返す。ニュースから流れてくる犯罪や事故だって絶えることはない。説教師も同じ話を繰り返し繰り返しするが、信者は何も聞いていない。
そんな日常に反抗を企てる。ストライキだったり、旅だったり、無気力になってみたり。または自殺をしてみたり、冒険してみたり。反抗を企たとしても、バンド再結成やスポーツ選手の復帰、犯罪の再犯に見られるように、元の鞘に収まってしまうこともある。報われない日常を離れると、もうひとつの怠惰な日常が現われる。旅人として世界を回ると、世界を回ることが日常の徒労になってしまうものだ。
夏の間、毎日のように打ち水をしていたご近所のおばあさん。そして伝統のようにそんな風習が繰り返される。保冷の効果という意識があるのだろうかね、徒労を無駄と思わない無心な習慣のような気がしてならない。秋の落葉掃きにしても同じ。
日常のささいな習慣には、徒労という意識すらないのかもしれない。身近なところに軽やかなものがあることに気がついた。
忘れられない言葉があり、それは先輩が繰り返し言っていたことだ。その先輩というのは酒飲みで、酒が入るとすぐこの言葉がでてきたから、酒のうえのたわごとと切り捨てることもできるのだが…。「作っては壊し、作っては壊しだよ」。仕事に対する愛着と解釈した。
途方もない責苦を人間は背負わされたものだ。毎日食事を作り食べることだって同じことの繰り返しだし、排泄だって繰り返す。ニュースから流れてくる犯罪や事故だって絶えることはない。説教師も同じ話を繰り返し繰り返しするが、信者は何も聞いていない。
そんな日常に反抗を企てる。ストライキだったり、旅だったり、無気力になってみたり。または自殺をしてみたり、冒険してみたり。反抗を企たとしても、バンド再結成やスポーツ選手の復帰、犯罪の再犯に見られるように、元の鞘に収まってしまうこともある。報われない日常を離れると、もうひとつの怠惰な日常が現われる。旅人として世界を回ると、世界を回ることが日常の徒労になってしまうものだ。
夏の間、毎日のように打ち水をしていたご近所のおばあさん。そして伝統のようにそんな風習が繰り返される。保冷の効果という意識があるのだろうかね、徒労を無駄と思わない無心な習慣のような気がしてならない。秋の落葉掃きにしても同じ。
日常のささいな習慣には、徒労という意識すらないのかもしれない。身近なところに軽やかなものがあることに気がついた。
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