DVDでルノワールの『河』を見た。淡々と話がすすんでいく。
まるでガンジス川のように、何事もなかったかのように、人間たちの出来事が綴られていく。
物語がすすむのではない。そこで起こる事件をうまく、そしてきっちりとつなぎ合わせればおもしろい物語はできあがるのだろうが、ルノワールはそんなことには無頓着だ。
コブラにかまれて死んでしまう少年やその友人について、その運命の予測はできても、われわれにはあまりに示唆的なささやきだけしか聞こえてこない。
恋をしているものたちは、語るのをやめて行動に移る。
3人の女をめぐる、庭でのキスシーンは、そのキスするものたちの描写もリアルなものであるが、残された二人の描写も残酷なほど胸を打つ。
最後に、大尉はいつのまにか物語から遠く離れてしまっていて、それがさも当然のように映像は続いていく。
物語本人すら語るのをやめてしまったかのようだ。
さて、わたしたちは、いつ、おしゃべりをやめて、世界そのものになるのであろうか?
世界そのものである者と、世界を見つめる者。
そして最後に、それを伝達するために世界を語る者。
しかし不条理なことに、どんな人でも、つねに最後にたどりつく前に、おしゃべりをはじめてしまうものらしい。
もっと逆説的なことに、あんなにおしゃべりの好きだったらしいルノワールが、こんなに言葉少なに世界を見せてくれている。
やれやれ、語りたい欲求から長くおしゃべりをしすぎたようだ。
でも、ぼくは何を見た?1時間40分の『河』だけじゃないのか?
まるでガンジス川のように、何事もなかったかのように、人間たちの出来事が綴られていく。
物語がすすむのではない。そこで起こる事件をうまく、そしてきっちりとつなぎ合わせればおもしろい物語はできあがるのだろうが、ルノワールはそんなことには無頓着だ。
コブラにかまれて死んでしまう少年やその友人について、その運命の予測はできても、われわれにはあまりに示唆的なささやきだけしか聞こえてこない。
恋をしているものたちは、語るのをやめて行動に移る。
3人の女をめぐる、庭でのキスシーンは、そのキスするものたちの描写もリアルなものであるが、残された二人の描写も残酷なほど胸を打つ。
最後に、大尉はいつのまにか物語から遠く離れてしまっていて、それがさも当然のように映像は続いていく。
物語本人すら語るのをやめてしまったかのようだ。
さて、わたしたちは、いつ、おしゃべりをやめて、世界そのものになるのであろうか?
世界そのものである者と、世界を見つめる者。
そして最後に、それを伝達するために世界を語る者。
しかし不条理なことに、どんな人でも、つねに最後にたどりつく前に、おしゃべりをはじめてしまうものらしい。
もっと逆説的なことに、あんなにおしゃべりの好きだったらしいルノワールが、こんなに言葉少なに世界を見せてくれている。
やれやれ、語りたい欲求から長くおしゃべりをしすぎたようだ。
でも、ぼくは何を見た?1時間40分の『河』だけじゃないのか?
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